職場のいじめへの最大の仕返し

外資系企業への転職が決まってから、私はいじめのあったメーカーを1ヵ月後に退職しました。

得意の語学を生かせる仕事が見つかった、といきさつを話すと、メーカーの社長さんを初め、社員の人たちは門出を心から祝福してくれました。ただひとりの例外を除いては・・・。

それは、あのお局さんでした。彼女は、私がよい転職先を見つけたことにひどく気が動転しており、昼休みなど、何かにつけて情報を引き出そうとしてきたのです。

お局さんが一番気にしたのは、なんと、転職先での私の給与や年収です。そのものズバリを聞かれました。

「ねえ、そこってこの会社より給与条件はいいの?」

(この人、よく遠慮なしにきくなあ、そんなこと)あきれながらも、私は答えました。

「ええ、もちろんです。でなきゃ、わずか1年で転職しようなんて思いませんよ」

「そ、そう・・・。で、年収はいくらなの」

(さすがに、この質問には引いてしまいましたが。)

「まあ、ご想像に任せます。」

「そんなの、見当もつかなくて想像できないわ。」

私がのらりくらりとかわしたので、お局さんは相当にいらついているふうでした。

結局、自分自身の年収より高いかどうかを彼女は知りたかったのでしょう。

事実、お局さんの当時の年収を上回っていたと思われるのですが、私の転職のきっかけを作った人にいちいち教える気はありませんでした。

いじめが横行する職場環境から、私が無事抜け出すことができたのは、ひとつには、転職支援サービスであるを信頼して、コツコツと転職活動を進めたからです。

それ以外の理由としては、常に自分の可能性を信じ、日々のスキルアップに励んだ点です。

通訳や翻訳の仕事をするのが夢だったので、私は普段から通訳学校に通い、翻訳の添削講座を受けていました。

また、通勤電車の中では英字新聞を読み、歩きながらiPodでリスニング訓練を行いました。

幸いにも、リクルートエイジェントに紹介してもらった転職先の外資系企業は、私の英語力を存分に発揮できる気持ちのよい職場でした。今もその会社に勤務しています。

何より、外国人上司のアシスタント兼通訳翻訳の業務をするのが楽しくてしかたありません。

もし、最初に入社したメーカーで職場いじめを受けなかったら、この外資系企業でセクレタリーをすることもなかったでしょう。災い転じて福となす、といいますが、まさにそういう境地です。

職場内のいじめの解決策として、転職するのが最良だとは断言できません。

が、所属する企業の社風が自分に合わない場合、体質が腐っていると感じた場合は、思い切ってそこから出て行くことで道が開けるのではないでしょうか。

職場でいじめを受けたことに対する最大の仕返しは、相手に報復することではないと思います。

自分の才能を磨き、それを武器にしてあなたが飛躍を遂げることです。そして、あなたをいじめた人たちが地団駄踏んで悔しがるほど活躍し、幸せになることです。

いじめられる原因があなた自身にない限り、それは難しいことではないでしょう。

職場のいじめに遭った私の経験談は以上です。現在、職場のいじめに直面しているあなたのご参考になれば幸いです。

特許事務翻訳と外人付きセクレタリー

転職支援サービスであるリクルートエージェントの担当アドバイザーの方は、30歳代の女性という条件では少し厳しいかもしれない、と忠告しながらも、熱心に案件を探してくれました。

そこで数週間後に見つかったのが、語学力の生かせる2つの案件でした。ひとつは「特許事務所の英文翻訳者」、もうひとつは「外資系企業の外国人付きセクレタリー」です。

いずれも希望している職種だったため、私はもちろん、両方に応募することを決めました。

幸いにも両社の書類審査を通過し、続いて面接の連絡が経由で届きました。

当時、私はまだ例の職場に勤務しており、なかなか休みのとれない会社だったため、面接はアフター5に設定してもらったのです。

特許事務所のほうは、面接のほかに和文英訳の筆記試験がありました。技術系の出題だったため、辞書の持ち込みが許可されました。

難しい用語に苦戦しながらも、技術翻訳の経験があったのでなんとか形になったのではと思います。

対して外資系企業のほうは、筆記試験はなく、面接のみでした。立派な応接室に通され、緊張して待っていたら、3人の男性が部屋に現われました。

日本人の担当者2名と、50代ぐらいの外国人役員です。

セクレタリーとしてもし採用されたら、その外国人がボスになるのだとわかりました。温厚で気品のよさそうなイギリス人男性です。

面接は、日本語と英語の両方で行われました。途中、イギリス人男性が、私の作成した英語の職務経歴書と自己紹介文に目を通し、「ネイティブのようによく書けている」と感心したのには驚いたものです。

のアドバイスを受けながら、事前に用意して提出した書類でした。

結果的に、私は両方の企業から内定をもらいました。

迷った末に、社内通訳の経験も積める外資系企業のセクレタリー職を選びました。人材紹介会社に登録してから3ヶ月目のことでした。

転職が無事決まったため、いじめのあったメーカーを気持ちよく退職したのはいうまでもありません。

職場を見限って転職活動を開始

新たな転職活動として私が真っ先に行ったことは、人材紹介会社への登録です。

いじめに悩まされた今回のメーカーは、女性用求人雑誌の広告を見て自分で応募したものでした。

もうこんな失敗はしたくない、という反省と危機感から、次はプロのアドバイスを得て会社を選ぶことにしたのです。

ご存じかと思いますが、人材紹介会社というのは、民間のハローワークともいうべき転職支援サービスのことです。

社会人としての就業経験があれば登録することが可能です。

「正社員の求職者」と「正社員の人材を求める企業」を引き合わせるのが、人材紹介会社の任務です。まあ、お見合いの仲人みたいなものでしょうか。

晴れて登録者の就職が決まったときに、人材紹介会社は相手方の企業から成功報酬を受け取ります。よい人材を紹介したことに対するお礼ですね。

このため、登録者自身は無料で利用できるのです。

ご参考までに、私が選んだのは、業界最大手といわれるリクルートエージェントの転職支援サービスです。

    

リクルートエージェントのサービスを実際に利用してみて感じたのは、ハローワークよりもずっと待遇のよい求人が多いという点です。

専属の転職アドバイザーがついてくれて、効果的な履歴書の書き方や面接の受け方、自己PRのしかたなど、転職活動のノウハウをあれこれ助言してくれます。

また、転職先の希望を伝えておいたため、条件に合致する求人が出たときはいち早くメールで知らせてもらえました。

当時、居心地のよくないメーカーに在籍しながらも、こっそりと登録した人材紹介会社のおかげで、私の転職活動は順調に進んでいったのです。

職場のいじめは企業体質

その後、会社側は急いで別の派遣スタッフを手配し、経理さんが抜けた穴はなんとか埋められました。

次の経理担当者が決まるまで、また派遣社員でつなぐという急場しのぎです。

が、今度はどうなったかというと、お局さんがなぜか、新しい派遣スタッフさんを味方に付けて、私を仲間はずれにしたのです。

さらに、新たな事実も発覚しました。私が担当している英文事務の前任者の女性は、例の経理さんにいじめられてやめていったらしいのです。

急な退職だったらしく、私が入社したときにはその社員さんの姿はありませんでした。

引継ぎもしないでやめるなんて無責任な、とも思いましたが、もしかしたら、耐えられないほどの職場環境だったのかもしれません。

そんなことをいろいろ考え合わせると、これはもう、会社の体質というしかありませんでした。

その職場では、常に女子社員のうち誰かと誰かがいがみったり、いじめが起こったりしていたのです。

平和になったと思ったら残った人間が次のターゲットを探す・・・そんな職場で仕事をしたいとは思いませんでした。

新米社員の私が職場の体質を変えるのは、どう考えても無理でした。

悩んだあげく、私が出した結論は・・・やはり転職でした。まだ入社して1年もたたないのに、という問題はありましたが、こうなったらやむをえません。

そう決めた瞬間から、転職に向けた準備を始めたのです。

古株どうしの「女のバトル」勃発!

が、順調な生活は長く続きませんでした。

もうひとりの女性社員が産休を終えて職場復帰したときのことです。

経理担当の彼女は、数ヶ月ぶりにオフィスに復帰したときに、前より自分の雑用が増えているのに気付きました。

理由は、素直に命令に従う新米の私と派遣社員さんに対して、お局さんが雑用を押し付けていたためです。

派遣スタッフは経理担当さんの代役だったので、その仕事は復帰した経理さんにそっくり受け継がれることになったわけです。

経理さんは入社時期がお局さんより古かったらしく、上下関係はないにしても、自分のほうが先輩だという自負がありました。

だから、お局さんが回した雑用を自分が引き受けるなんて我慢できなかったのです。

雑用といってもささいなことだったのですが、そんな小さなトラブルからとんでもない事態に発展しました。

お局さんと経理さんが、同じ職場で顔を突き合わせながら互いを無視し合うようになったのです。これで、職場環境に大きな問題が生じました。

ふたりが仕事上の連携をとらないので、派遣スタッフさんや私は業務に支障をきたしたのです。また、いつも寒々と張り詰めた空気の中で働くのはつらいものでした。

任期が来て派遣スタッフさんが引き上げた後、ついに経理さんが動きました。

なんと、転職すると突然宣言したかと思うと、数週間後には本当に会社をやめてしまったのです。

いじめる人こそかわいそう

当時、同じ職場にはもうひとり女性の正社員がおり、その人が産休に入る直前だったため、代わりの派遣スタッフの女性もいました。

その派遣社員さんと私は仲良くなり、アフターファイブにゴハンを食べに行ったことがあります。

その際、なんと彼女もお局さんからいじめを受けていたようで、私への接し方も意地悪としか思えない、とこぼしていました。

これまで、お局さんとうまくいかないのは自分に問題があるからでは、と悩んでいた私は、派遣女性の話を聞いて、少しだけですがなぐさめられたのを覚えています。

(あ、そうなんだ。派遣の彼女も気の毒だけど、同様にいじめられてるってことは、別に私だけが悪いことをしたわけじゃないんだ・・・。)

その頃から、私はお局さんが自分に意地悪をする理由を勝手に解釈するようになりました。

(私は彼女より10歳以上若くて、英語が得意で楽しく仕事をやってる。きっとそれが気にいらないんだ・・・)

これが本当だとしたら、よくある女のヤキモチ、嫉妬ですね。

もちろん、実際に相手がそう思っているかどうかはわかりません。が、そのように決めつけることで、私の気持ちは楽になったのです。

日々の小さな嫌がらせを受けるたびに、(こんなふうに欲求不満を発散しているなんて、かわいそうな人だ・・・)そんなふうに相手をあわれむ余裕さえ出てきたのです。

入社後半年ぐらいたった頃だったと思います。

お局さんの日常的嫌がらせ

職場のいじめ、最近はパワハラ、セクハラなんて呼ばれて騒がれてますが、多少のことなら誰でも体験しているかもしれませんね。

現在、30代後半の女性である私も、かつて職場内でいじめを受けた経験があります。でも、そのことが自分のキャリアアップにつながる、という皮肉な結果となりました。

職場でのいじめから私がどうやって抜け出すことができたのか、以下、当時の体験をお話します。

その職場は、年配の社長が個人経営する小さなメーカー社で、いわゆるワンマン体制でした。私は中途採用で、英文事務の正社員として入社したのです。

英語力に磨きをかけるために前の職場を退職し、2年間のアメリカ学部留学を終えて帰国した数ヵ月後のことでした。

30歳過ぎという年齢にもかかわらず、すぐに就職先が決まったので、とてもラッキーだとそのときは思いました。

残業はほとんどないし仕事も比較的ラク、給料もよいという理想的な?条件でしたが、職場環境に問題がありました。

いわゆるお局(ツボネ)さんがいたのです。

私よりひとまわり年上で社長秘書をしている人で、なぜか入社当初から目のカタキにされたのです。

入社直後に知らない取引先からの電話があり、うまく対応できない私を見て、彼女はわざとそっぽを向いたりしました。

(あ、感じワル~)と思ったものの、もちろんそんなことは口にできません。

昼休みにお弁当を食べるために休憩室へ入ると、先に食べ終わったお局さんはポットのお湯を空っぽにして出て行くのが習慣でした。

いつも、お茶がすぐ飲めない状態だったので弱りましたよ。

おまけに、女子社員全員に配られるはずのフリーペーパーは、私の分だけゴミ箱に突っ込んでありましたし。ぐしゃぐしゃになっていたのを拾って読んだこともありますけど(笑)。

そんなこんなで、入社後3ヶ月ぐらいは、英文事務の仕事は順調だったものの、お局さんの不思議な対応に悩まされていました。

が、まだ日も浅いし、いじめを受けているという断定はできませんでした。もしかしたら気のせいかもしれないし、自分の勤務態度や能力に問題があるのかも、という半信半疑の状態でした。